TOEICの勉強が面白くない話と、ジンバブエでは家畜で学費が払える話。
いつからだか知らないけど、多くのグローバル企業では就活とか昇進に対してTOEICの点数を一つのバーとして採用するケースが多い。
とりあえず730点みたいな企業から、楽天が入社時に800点が無いと内定取り消しとか、BTMUのグローバルCIBは900点必達など。
自分も定期的にTOEICの受験は続けてる。直近のテストでも950点は取れたし何とかそれなりの点数を維持してる実感はある。
と言うものの、地方で中小企業の営業をしてる仕事では滅多に英語を使う機会が無い。海外現法のある担当先に関して海外支店の担当者から問い合わせがきたり、買取したL/Cの原文とにらめっこしたりも稀にはあるけど、仕事の99%は日本語。家に帰ってもビールでも飲んで寝るだけ。
そうやって英語力は日々落ち続けていく。そして、TOEICの直前になると貴重な土日を潰して必死で詰め込みしなくちゃいけなくなる。焦る。ひたすら過去問をやる。苦痛でしかない。リスニングパートで、おばあちゃんがバスに乗り込もうとしてる写真を見るくらいなら若い女性の裸の写真が見たい。リーディングだって、架空のお店の10周年記念セールとかマジでどうでもいいから近所のラーメン屋の割引券が欲しい。
結局一人では全く捗らないので、フィリピン人とのオンライン英会話を受ける。ちなみにレアジョブのリクルート校ってのに入ってるんだけれども、毎日スカイプレッスン25分受講できて月額5800円。めちゃ安いと思う、でも試験前以外一切使わない。3ヶ月くらい1度も受けてないとかザラ。リクルートポイントだけが溜まっていく(→ホットペッパーで使える!)。
レッスンの形式はTOEIC対策、日常会話、英文ニュースだとか色々選べるけどもちろんTOEIC対策。結局ここでも架空の会社の話を読むとか、堅苦しい文法の繰り返し。20代フィリピン人女性とお話しできる貴重な機会でも楽しくない。
結局、試験が終わると、「おれは英語から解放されたぞ〜!」感覚に陥って一切レッスンを受けなくなる。こうしてTOEICの点数はそれなりでも、英語を話せないっていう典型的日本人へとなっていく。
ただ先週末、4時半に起きてランニングして英会話して会社近くのカフェで新聞読んじゃうぞ!的な意識高い系モチベーションが芽生えた。せっかく変なスイッチが入ったので、4時半には起きれなかったしランニングもしなかったけど久々にレアジョブレッスンを受けてみたわけです。
そこで初めて英語ニュースをディスカッションする形式のレッスンを選ぶと、意外にも面白い。「赤ちゃんが蜂蜜食べて死んじゃった!クックパッドでは、乳児に蜂蜜を食べせないないように警告文を書いてます!」みたいな記事。インプットの内容が興味深いと、単語とか文のニュアンスもすっと頭に入ってくるもの。グノシーでも読んでる気分で英会話ができた。
ちゃんと自分の意見を考えて、英語で言葉にするって凄く脳にも刺激的になるし、言語って本来こういうもんだよなあって気付かされた。テストの点数のために学ぶもんとかじゃなくて、コミュニケーションを取りたいからとか、論文の原文を読むためとか、そういうのが原動力であるべきなんだろう。
今日受けたレッスンで読んだ記事のタイトルは"Schools in Zimbabwe Accept Farm Animals as Tuition Fees"。ジンバブエでは、ヤギとか羊で大学の学費が払えるらしいです。ジンバブエすげえ。
Smells Like Teen Spirit
日曜の夜、セブンイレブンで買った安いワインを飲みながら、1週間の仕事をどう乗り切ろうか考えながら、NIRVANAを流す。
カート・コバーンが自ら命を絶ったのは1994年4月。
僕はまだ赤ん坊だったから、一切の記憶は無い。
初めて、ネヴァーマインド を聴いたのは高校一年の時だったと思う。
TSUTAYAの名盤セールか何かで100円で1週間レンタルして初めて聴いた時、衝撃を受けたのを覚えてる。それから2−3週間くらいは、通学中ずっとipodで繰り返し聴いていた。銀杏BOYSの峯田とかが聴いた時の衝動に比べたら大したことは無いんだと思うけれども、漠然とめちゃくちゃかっこいいなって思った。すぐに実家の電子ドラムでコピーして何回も一人で叩いてた。Smells Like Teen Spiritは、ライブバーでのオジさん達とのジャムセッションや、アメリカに短期留学した時に現地の高校生とも一緒に演奏した記憶があるから思い出深い一曲。大学時代にアメリカ南部へ留学していた時に行ったグランジロック発祥の地シアトルの曇った雰囲気も印象的だった。
名盤でも糞盤でも、昔何度も聴いていたアルバムをふと聴くと、脳のどっかに眠ってる当時の感情を思い出させるトリガーになる。NIRVANAを初めて聴いた時くらいから、今までずっと中高の同級生とやってるダサいバンドがある。演奏も下手で、MCのショートコントで笑いを取ることが最重要課題だったコミックバンド。自分達の客がゼロなんてザラだったけど、若いってだけでライブハウスのスタッフからスーパー高校生バンドとかチヤホヤされて、”おれらはいつか武道館でライブできるくらい売れるんだぜ、バカにしてる奴見とけよ”って真剣に思ってた。
もちろん、そんな簡単に売れる訳は無くて、みんな大学に進学して、就職活動をして、自分も今勤めている銀行に就職した。親は喜んだし、安定もしているし、世間体も良い。合コンうけも悪くない。一応はバンドだって続けているけれども、仕事の片手間に過ぎず、年に2〜3回集まる程度。
それでも、ロックバンドでメジャーデビューしたいとか、一発起業してカリスマ経営者になりたいとか、はたまたカジノで一億円当てて悠々自適に暮らしたいとか、そんな初期衝動的で浅はかな感情はふいに襲ってくる。このまま年功序列の上場企業にしがみついていれば、それなりの待遇は約束されているのに。かと言って、どうしたらいいかも分からないから明日も頑張って働こうって自分に言い聞かせる。
あー、アルコールが回ってる。今日眠って明日の朝起きたら、今ブログを書いてることすらも忘れている気がする。明日の日経平均株価はどうなるんだろう。
Alice in Chainsを一曲だけ聴いて、そのままの気持ちで寝よう。
営業利益率30%!コメダ珈琲店。
つい先日、お客さんとコメダ珈琲上場の話題((株)コメダホールディングスは2016 年6月 29 日に東京証券取引所第一部に上場した。)で盛り上がった。
スターバックスは、国内の店舗数を2020年までに、3月末比で約3割増に当たる1500店に増やす方針。
スタバは、新規出店をする際に、借入では無く利益から出店資金を抽出する経営戦略で知られる。儲かっているんだろうなあと率直な印象。
負けず劣らず、コメダ珈琲だって驚異の営業利益率の高さで有名。
じゃあどんくらい凄いのか、スタバとコメダ、そしてドトールの営業利益率を比較してみよう。
スタバは2015年より米国本社の100%子会社化され、東証証券取引所を上場廃止になったので、2014年の数値までしか開示されていない。まあ、参考程度に。
(各社IR情報参考)
効率的なメニュー選定はもちろん、店舗の98%がフランチャイズっていうところが要因だろう。
あと、なんといってもモーニングが占める割合。
驚くことに、売上の40%がモーニングによるものらしい。
ついつい休みの日の朝とか行っちゃうもんなあ。
楽天をデュポン分析してみた。
楽天株式会社
代表取締役会長兼社長
三木谷 浩史
(楽天株式会社公式ホームページより引用)
楽天は会員数1億人を超える巨大IT企業。
積極的なM&Aにより多種多様なサービスを展開。楽天スーパーポイントを共通通貨とした楽天経済圏を拡充して、数多くのアクティブユーザーを自社サービス多数に抱える。
メガベンチャーと自負する程の大企業らしからぬ成長性と、グローバル化に伴う英語公用語化等の革新的な経営方針に私も大変魅力を感じていた。今働いている銀行に入っていなければ、間違いなく自分は楽天に入社していた。実際に内々定も貰っていたし、今頃楽天に入っていればどうなっていたのかと思い返すことも稀にある。
そこで、今回は楽天をデュポンシステムと呼ばれる手法を用いて財務分析してみたいと思う。
デュポンシステムは米国の化学会社E.I.デュポン社によって考案された財務管理システムで、前提として経営改善の目標を自己資本純利益率(ROE)の上昇にあると定義している。
ROEはReturn On Equityの略であり、文字通りReturn(当期純利益)をEquity(自己資本)で割ることで求められる。
なぜROEが重要かというと、純資産(つまり株主の払込資本と内部留保)に対してどれだけの純利益が生み出されているかを表しているため、ROEが高いほど投資に対してリターンが大きい=投資する価値が高いと考えられるからである。
デュポンシステムではこのROEを以下のように分解する。
各項は以下の式で求められており、それらを掛け合わせるとROEとなることが分かる。
デュポンシステムでは、ROEを向上させるには分解されたどの項を改善すべきかを考え経営戦略に繋げる。
では、これから具体的に楽天株式会社の決算情報を元に数値を算出する。
楽天のROEは直近3期で8.0%→15.5%→19.6%と大きく上昇している。
昨年度2014年度の有価証券報告書によれば
楽天株式会社の総資産は3,680,695百万円、株主資本が331,198百万円、売上高が598,565百万円、当期純利益が65,173百万円であった。これらの数値を元に各項を算出した。
また、比較企業として同業種のヤフーを挙げた。
楽天、ヤフーとROE自体には大差は無いにも関わらず構成要素が極端に異なっており興味深い。特に楽天の財務レバレッジの高さが際立つ。財務レバレッジは自己資本比率の逆数となっている。事実、楽天の自己資本比率はわずか9%となっており、ヤフーの73%と大きく乖離している。自己資本比率は企業の安全性を示しており、40%以上なら倒産しにくいと言われるので、楽天の9%は非常に低い。
金融業界は自己資本比率が低いため、楽天が楽天銀行や楽天証券などインターネット金融サービスを手掛けているという点は考慮すべきだが、健全性の面で不安が残る。一方、ヤフーは総資産のほとんどを自己資本で補っており倒産リスクが低いことが考えられる。
楽天は確かに高いROEを計上している。しかし、これは単に株主資本比率が低く負債に依存していることに起因している。ROEは分母となる自己資本を削るほど高くなるという問題点があり、それを顕著に表している。
楽天、ROEの高さの実態は安全性の低さ。数字上では決して良い企業とは言えない。
でも、 自分自信も楽天のヘヴィユーザーであるし、消費者が様々なインターネットサービスをクロスユースする楽天経済圏のビジネスモデルは素晴らしいと思う。そして、楽天は負債を有効活用して事業規模拡大を続けてる事実。
一見、財務面は良くないかもしれない。しかし、激しい経営方針で常に高成長を求め続ける、まさに楽天らしいなあって思う。